玉野−旅・ナビ潜水艦 調査報告書                                      
 1. 目的
 「母なる川 堀川を清流に」を合い言葉に、全名古屋ライオンズクラブが、広く市民・団体等へ呼びかけを行っている試験導水時の市民運動調査「堀川1000人調査隊」へ参加し、玉野の企業市民としてのパートナーシップを発揮し、堀川への市民の関心を高めることに寄与する。
2. 概要
 左の写真のように、潜水艦に見立てた抵抗版に、浮きと携帯型GPSを取り付け測流観測ブイを作成した。抵抗板は、中心が水面下0.5mとなるように調節し、潜水艦の動きが、上層の流れに追従するようにした。
 この潜水艦を、堀川に放流し、航跡の自動記録を行って、潜水艦の流される速さ=堀川の流れの状況が、名古屋港の干満等により、どのように変化しているか検討した。

 

 3. 調査結果
 潜水艦は、干満により引き起こされる流れに従って移動した。観測された下げ潮時の平均流速の最大値は、2.5km/時で歩くよりやや遅い速さであった。(表―1〜表―3)
流速は、大潮、小潮など潮汐の時期と、潮時によって変化した。(表−4)
 上げ潮(干潮から満潮にかけて海面が高くなること)時には、上流に向かう流れが見られた。

 堀川は、感潮域(干満の影響をうける河口に近い部分)では、干満によって引き起こされる流れによって上下している。この流れを平均すると、市内から流入する雨水や、導水の量に相当する速さで、海へ向かう流れとなっている。
 川の水質は、この平均的な流れの速さ(恒流)によって支配されるので、導水量が多いほど水質が改善されると期待される。 


表−1 調査結果(その1) 平成16年4月 8日
導水量0.3m3/秒

航海番号

投入・
回収時刻

投入・
回収地点

移動距離(km)

平均速さ(km/)

備 考

11:47

納屋橋

0.18

1.2

11:56

天王崎橋



表−2 調査結果(その2) 平成16年4月10日
導水量0.3m3/秒

航海番号

投入・
回収時刻

投入・
回収地点
MOVkiki

移動距離(km)

平均速さ(km/)

備 考

10:19

錦橋

2.7

2.5

11:24

日置橋

14:22

熱田記念橋

0.34

0.7

14:42

御陵橋

表−3 調査結果(その3) 平成16年5月25日
導水量1.0m3/秒

航海番号

投入・
回収時刻

投入・
回収地点

移動距離(km)

平均速さ(km/)

備 考

9:32

錦橋

0.34

0.9

10:17

天王橋

10:30

洲崎橋

2.8

1.7

11:55

中川運河下流

13:37

三王橋

0.68

0.6

14:33

JR

橋上流

15:26

瓶屋橋

1.7

0.7

17:50

御陵橋




表―4 下げ潮時の流れの平均速さの比較(納屋橋付近での観測値)

調査日時

平均速さ
(km/)

干潮満潮
潮位差
(m)

満潮からの
経過時間

(時間)

導水量
(3/秒)

4/ 8

11:47

1.2

2.3

4:26

0.3

4/10

10:19

1.2

1.9

2:01

0.5

5/25

9:32

0.8

1.3

1:16

1.0




下のリンクをクリックすると航海の模様を、写真や動画で見ることができます。

写真隊員
動画錦橋での準備 使用した装置
動画潜水艦本体 投入
動画流下1 流下2
写真納屋橋






写真洲崎橋






写真日置橋




























写真瓶屋橋








写真熱田記念橋
動画遭難し、天使に回収される?








 

なぜ、GPSを使って調査を行ったのか?

堀川の流れを、目に見える形にしたかった。

GPSを使えば、航跡図がそのまま堀川の流れになる。

潜水艦を、堀川へ投入し、見守り、回収する。
その作業を通して、ぼくたちと堀川との関わりを深めたい。

調査を進めて、気がついた。

堀川には、人が川にふれあうことのできる場所がないのだ。

けっきょく、潜水艦の回収も、橋の上から行うことにした。

チャンスは一瞬だ。

うまくつかまえないと、潜水艦は流れ去ってしまう。

人と堀川の関係が上手になって、

もっと簡単に、水辺に近づくことができる日が、

早く来るといいなと思った。